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*100万回生きたねこ






作・絵: 佐野 洋子

出版社: 講談社

税込価格: ¥1,470

(本体価格:¥1,400)

発行日: 1977年10月20日

年齢別おすすめ絵本6〜7歳から

読んであげるなら 5歳から



日本図書館協会選定図書
全国学校図書館協議会選定図書



100万回も死んで、100万回も生きたねこがいました。
100万人の人がそのねこをかわいがり、100万人の人がそのねこが死んだ時に泣きました。
どんな場所でも、どんな飼い主さんでも、どんな時代でも、どんなに愛されても、
100万回生きても、一度も泣くことがなかったねこ。

でもある時、白いねこと出会って彼は変わります。
初めて愛する心を知って、初めて悲しみを知るのです。
ある時ねこは誰のねこでもない、のらねこになりました。
自分が大好きなねこは、めすねこたちにちやほやされて有頂天になりますが、
一匹の白く美しいねこに魅せられます。
やがて子どもが生まれ、自分よりも大切な家族を持つことに。
そして、100万回死んでも悲しくなかったねこは、初めて、
愛する者を失って涙を流すのです。

大人のための絵本と言っても過言ではない絵本です。
「愛すること」を知ることで心が変化するという、奥の深い内容です。
さらに、「死」というものをも考えさせられます。
幼少期に、「愛すること」は素晴らしく悲しいことだと感じ、
「愛すること」の大きさを心に残すことは、
その後の成長に様々な影響を与えます。
他者に対する思いやりや優しさを育むための心に必要な栄養になる、おすすめの一冊です。
人として一番大切なものは何か、何を大事にしていくかを
考えるきっかけとなる絵本ともいえます。





*アンナの赤いオーバー








 作:ハリエット・ジィーフェルト

 絵:アニタ・ローベル

 訳:松川 真弓

 出版社: 評論社


 税込価格: ¥1,365

 (本体価格:¥1,300)

 発行日: 1990年12月25日

 年齢別おすすめ絵本 5〜6歳から

 読んであげるなら 4歳から





戦争が終わったら、アンナは、新しいオーバーを買ってもらうことになっていました。
戦争は終わりました。でも、お店はからっぽです。
オーバーも、食べ物もなんにもありません。
アンナのオーバーを手に入れるために、お母さんは、どうしたのでしょうか?

第二次世界大戦後の、実話を元にしたお話です。
戦後の物のない時に、一枚のオーバーを手に入れるのは大変なこと。
家の装飾品と引き換えに、材料を手にし、加工する職人さん達にお願いし、
長い月日をかけて、お母さんとアンナは新しいオーバーをやっとの思いで手にします。

お話の背景には戦争の暗い影が見て取れます。
アンナのお父さんは登場しませんし、オーバーの製作に関わった人たちも
家族の姿が見えません。
そんな過酷な環境の中でも、オーバーが出来上がるまでの工程を、お母さんが楽しく演出し、
アンナは成長しながら、お母さんと一緒に欲しいものを得るまでの長い道のりを
乗り越えて行きます。

物余りのこの時代に、大人の心も豊かにしてくれる作品です。





*おじいちゃんがおばけになったわけ









 作:キム・フォップス

 絵:エヴァ・エリクソン

 訳:菱木 晃子

 出版社:あすなろ書房


 税込価格: ¥1,365

 (本体価格:¥1,300)

 発行日: 2005年6月

 年齢別おすすめ絵本 6〜7歳から

 読んであげるなら 5歳から





大好きなおじいちゃんが、突然死んでしまいます。
「死んでしまったらどうなるの?」
主人公エリックは、パパやママに訊いてみますが、どの返事もピンときません。
その夜、死んでしまったはずのおじいちゃんが、なんとエリックのところへ!

私事ですが、子どもの頃に、初めて「死んでしまったらどうなるんだろう?」と考えた時、
自分がこの世からなくなること、それはそれは恐ろしい!と感じたことを覚えています。
今となっては、恐ろしさ以外に想うことがたくさんありますが、
もし、死を考えるきっかけがこの絵本だったら、恐ろしいと感じるだけではなく、
もっと『自然な出来事』として、死をとらえることができたかもしれない
と思わされる絵本です。

映画の脚本家としても活躍している作者キム・フォップスの安定した物語構成、
そして最後のエリック少年の一言と表情が、心を揺さぶります。
子どもから大人まで感動させられる、デンマークの傑作です。





*かえるのピータン










 作・絵: どい かや

 出版社: ブロンズ新社


 税込価格: ¥1,365

 (本体価格:¥1,300)

 発行日: 2008年4月

 年齢別おすすめ絵本 5〜6歳から

 読んであげるなら 4歳から





森の奥の小さな池に暮らすかえるのピータンと、旅の途中の渡り鳥パーチクが出会います。
パーチクは旅の出来事を話し、ピータンに旅をすすめますが…。

美しい色彩の情景描写は、絵だけを見てページをめくっていても、
何度も、もう一度始めから見たくなります。
そして、優しく穏やかな言葉のやりとりが、森の澄んだ空気の中にいるような
それはそれは、静かな心持ちにしてくれます。
ページを進むごとに、時間や季節の流れをも感じられます。

出会いと交流、そして別れ、再会の約束。
細く長く続いていくであろうピータンとパーチクの、近過ぎず遠過ぎない関係は、
柔らかい安心感を与えてくれます。

毎日の暮らしにちょっぴりくたびれてしまった大人に、ホッとできる絵本。





*さよなら エルマおばあさん








 作・文・写真: 大塚 敦子

 出版社: 小学館

 税込価格: ¥1,365

 (本体価格:¥1,300)

 発行日:2000年8月1日

 年齢別おすすめ絵本
      6〜7歳から
 読んであげるなら
      5歳から



ある日、エルマおばあさんは言いました。
「私の命は、あと1年くらいだろうから、いろいろ準備を始めないとね…」

ガンの告知を受けたおばあさんが、無理な延命治療をせずに、
家族の温かな介護で死を迎えていくまでを、写真とおばあさんの飼い猫の目を通して
つづります。

死を想う時、どんな情景を思い浮かべますか?
誰もが死に向かって日々過ごしています。
人として、女性として、妻として、母として、
どう死ぬかが、どう生きたかの証しになるのではないでしょうか。

この本には、女性の美しい死に様が、華美な装飾なく淡々とつづられています。
脚色などないのに、心に暖かいものが残る一冊。
モノクロの写真で、1ページ1ページ、エルマおばあさんから語りかけられているようです。





*しろいうさぎとくろいうさぎ






 作・絵: ガース・ウィリアムズ

 訳: まつおか きょうこ

 出版社: 福音館書店


 税込価格: ¥1,155

 (本体価格:¥1,100)

 発行日: 1965年6月1日

 年齢別おすすめ絵本 5〜6歳から

 読んであげるなら 4歳から





しろいうさぎとくろいうさぎはとっても仲良し。
いつでも一緒です。
楽しく遊んでいると、くろいうさぎは、しばしば悲しげな顔をします。
しろいうさぎはたずねます。
「どうしたの?」
「うん、ぼく ちょっとかんがえてたんだ」
そんなやりとりの後、くろいうさぎの悩みが明らかになり…。

大好きだという想いを、大好きな相手に伝えること。
お互いに大好きなことが分かり合えると、とても幸せな気持ちになれるということ。

大人になるほど、こんな単純なことが難しくなってしまうものです。
素直に気持ちを伝えることは、大きな幸せにつながるのだと、
改めて感じることができる絵本です。

うさぎの毛、一本一本丁寧に描かれたモノクロに近い淡い色彩が、
おだやかな時間と、うさぎのやわらかい触感を絶妙に表現しています。





*チコときんいろのつばさ







 作・絵: レオ・レオニ

 訳: さくま ゆみこ

 出版社: あすなろ書房


 税込価格: ¥1,365

 (本体価格:¥1,300)

 発行日:2008年8月30日

 年齢別おすすめ絵本 5〜6歳から

 読んであげるなら 4歳から





羽のない小鳥チコ。
ある夜、不思議な魔法の鳥がチコのもとにやってきて、
願い事をなんでも叶えてくれると言うのです。
チコは切望していた、金色に輝く強くて立派な翼をさずかります。
大空を飛べるようになった時、仲間たちは?

「スイミー」でおなじみのレオ・レオーニの知られざる名作、待望の初邦訳!

自分だけが他のみんなと違うものを手に入れることを通して、
『仲間』という集団との接し方を考えさせられます。
誰かのために自分の一部を捧げることや親切にすることは、
何か損をしたり、失ったりすることではなく、
大切なものを手に入れることにつながるのだということが、
ページをめくるごとに伝わってきます。

集団の中の一人としての立場は、決して避けることはできず、子ども達もお母様達も、
同じように経験していくもの。
お母様の考え方は、お子様にとっても大きく影響します。
この絵本をきっかけに、仲間との接し方や誰かの手助けをすることについて、
ちょっと考えてみてはいかがでしょうか?





*つばさをもらったライオン








 作・絵: クリス・コノヴァー

 訳: 遠藤 育枝

 出版社: ほるぷ社


 税込価格: ¥1,575

 (本体価格:¥1,500)

 発行日:2007年4月30日

 年齢別おすすめ絵本 6〜7歳から

 読んであげるなら 5歳から





金色のたてがみのレオ王には、ひとつ気になることがありました。
北に住むオットー王の宮殿の壁に、なにやらふしぎな宝物がならんでいると
言われていることです。
そんなレオ王に、つばさをもった王子が生まれました。

両親とは明らかに違う生き方をする子どもの物語です。
王子の経験の中には、両親が全く触れてこなかった物との触れ合いや、
両親が敵対してきた他者との関わり。
壮大なテーマでありながら、わかりやすい設定と展開で、
読み手の年齢や立場によって、さまざまな解釈ができる絵本でもあります。

子どもの「未知なるものを知ること」への強い興味と意欲、
そして、周囲の大人には、その興味や意欲に答えるという重要な役割があることを、
改めて思い知らされます。

さらに、この絵本は「本」とはどういうものかを説いてもくれます。

長いお話なので、小さなお子様には寝る前に少しずつ読んであげると良いかもしれません。

額縁に入った絵画のような絵も魅力です。
動物の毛は一本一本丁寧に、植物や風景も緻密に描かれています。
微妙な濃淡で立体感を表現した色彩豊かな画面が、子ども達の気持ちを盛り上げます。





*ルピナスさん




 作・絵: バーバラ・クーニー

 訳:掛川 恭子

 出版社: ほるぷ社


 税込価格: ¥1,365

 (本体価格:¥1,300)

 発行日:1987年10月15日

 年齢別おすすめ絵本6〜7歳から

 読んであげるなら 5歳から





ルピナスさんは、海を見下ろす丘の上にある、小さな家に住んでいます。
家のまわりには、美しい花が咲き乱れています。
小さい頃におじいさんと約束したとおり、ルピナスさんは、世界中を旅し、海辺に住み、
そして、「世の中を美しくする」ためにすてきなことを思いつきました。
そのすてきなこととは…。

この絵本は、一人の女性の人生を美しく描いています。
板に水彩絵の具で着彩してから、色鉛筆でアクセントを加えるという独特の画法で描かれた絵。
細部にまで神経の行き届いた画面は、何度も見返したくなります。
微妙な色彩が、うれしいさや淋しさなどの情感を豊かに表現しています。

作者のバーバラ・クーニーは、ルピナスの花と重ね合わせ、
独立心にあふれた女性をモチーフにしています。
特別な人の特別な人生を語ろうとしたのではなく、
「生きるということの意味」を、読者に語りかけているように感じられます。












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